離婚と税金などについてよくあるご質問

夫は外国人です。私は日本人で、結婚後ずっと日本に住んでいます。離婚手続はどうなりますか?

外国人と日本人の夫婦が離婚する場合、まず問題となるのは、そもそも離婚の手続を日本で行えるかどうかです。

判例によれば、被告となる相手方の住所地が日本であれば日本の裁判所で手続ができます。
また、相手方の住所地が日本にはなくても、あなたが相手方から遺棄された場合、相手方が行方不明である場合、そのほかこれに準ずる場合には、日本の裁判所での手続が可能となります。

次に、離婚の手続を行うにあたって相手方の本国法が適用されるのか、それともあなたの本国法である日本法が適用されるのかという点が問題となります。いずれの国の法が適用されるかについては「法の適用に関する通則法」によって決まります。この通則法第27条ただし書によると、「夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による」ことになります。
そのため、妻が日本人で日本にずっと住んでいる本ケースでは、離婚する際には日本法が適用されます。もし仮に妻も外国に住んでいるような場合には日本法が適用されないこともありますので、詳しくは弁護士に相談することをおすすめします。

養育費に税金はかかりますか?

扶養義務者の相互間において扶養義務を履行するため給付される金銭には、所得税は課されません。また、扶養義務者の相互間において生活費または教育費に充てるための贈与により取得した金銭のうち、通常必要と認められるものには贈与税も課されません。

ただし、養育費の支払いは月払いが原則であるため、将来の養育費についてまで一括して支払いを受けた場合には、贈与税の課税対象となる可能性があります。

離婚時の慰謝料に税金はかかりますか?

慰謝料は精神的損害に対する賠償であって贈与ではないため、金銭によって賠償される場合には、それが相当な金額である限り原則として税金は課されません。
所得税法でも非課税所得とされています(所得税法第9条1項18号、所得税法施行令第30条1号)。

ただし、慰謝料が不動産など価値の増減する資産によって支払われる場合には、支払う側に譲渡所得税(譲渡所得)が、受け取る側に不動産取得税が課せられることがあります。
不動産の登記申請をするための登録免許税もかかるため注意が必要です。

また、社会通念上、慰謝料が高額すぎる場合や、口約束による支払いなどで不法行為に対する慰謝料だと証明できない場合、偽装離婚と判断された場合は、実質的な贈与だとして贈与税が課せられる可能性があります。

たとえば、不貞行為による慰謝料の裁判上の相場は、離婚する場合で約100万~300万円です。そのため、300万円程度の慰謝料であれば、社会通念上「妥当」と判断され、税金が課されない場合が多いでしょう。

婚姻期間が長いケースや悪質なケースなどでは、300万円を超える場合もありますが、特別な事情がない限り1,000万円を超えることは稀です。
そのため、1,000万円以上などの慰謝料は社会通念上「高額すぎる」として贈与税が課せられる可能性があります。

なお、贈与税が課せられる場合には、所得税が重複して課せられることはありません。

財産分与に税金はかかりますか?

①財産分与を受ける方は贈与税は原則としてかかりません。これは、相手方から贈与を受けた(ただでもらった)ものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与義務に基づき給付を受けたものと考えられるからです。
もっとも、分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮しても、なお多すぎる場合は贈与税がかかります。
そのほか、不動産を受け取った場合には登録免許税・不動産所得税・固定資産税等がかかります。

②財産分与をする方は、金銭によって財産分与する場合、所得税はかかりません。
不動産や株式等、価値が増減する資産を財産分与する場合には、所得税がかかることがあります。取得価額と譲渡(財産分与)の費用の合計よりも譲渡時点の時価のほうが高ければ、その差額(譲渡所得)に所得税がかかります。

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