- 結婚してから、配偶者が自分の職業や収入について嘘をついていたことが判明しました。この場合、離婚することはできますか?
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だまされて結婚をした場合、詐欺を理由として婚姻の取消しができる場合があります。しかし、婚姻の成立の際に当事者などが事実を誇張したり、不利な事実を隠したりすることはしばしば見られるため、取消しが認められるには、そのような行為が相当強い違法性を有していることや、それによって生じた錯誤が一般人にとっても相当重要なものとされる程度であることが必要です。職業や収入を偽ったのみでは、結婚の意思を直接左右する相当重要な事項とまではいえず、原則として取消しは難しいと考えられます。
なお、詐欺の事実を知って3ヵ月が経過したり、詐欺の事実を受け入れたりすると、取消権は消滅します。
今回、「婚姻を継続し難い重大な事由」という離婚原因が認められれば離婚することが可能です。しかし、これが認められるハードルは高く、夫婦関係を破綻させるに足りる事情が必要です。夫婦というのは「お互いに愛情をもって一緒に共同生活をすること」が中核ですから、職業や収入は家計を支える一要因ではあっても、これを偽ったとしてもただちに夫婦関係を破綻させるとはいえません。離婚原因が認められるためには、夫婦関係を破綻に追い込むような極めて悪質な嘘であったか、または、嘘のほかにも信頼関係を破壊するに足りる事由が存在したことを主張する必要があります。
- 法定の離婚原因があれば、いつでも離婚することができますか?
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法定の離婚原因がある場合でも、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚が認められません。
- 不貞行為をするなど法定の離婚原因を作った配偶者のほうから離婚を申し出ることができますか?
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訴訟となった場合、婚姻の破綻に責任がある配偶者からの離婚請求は、原則として認められません。
しかし、以下の3つの要件を満たす場合には、有責配偶者からの離婚請求が認められる可能性があります。
①夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間におよんでいること
②当事者の間に未成熟の子がいないこと
③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれないこと
- 配偶者が度を越した宗教活動を行っています。これは離婚原因になりますか?
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夫婦間においても信教の自由は尊重されなければなりませんが、宗教活動に過度に専念するあまり婚姻関係が破綻したというような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり離婚が認められる可能性があります。
- 夫婦間の性関係についても離婚原因になることはありますか?
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配偶者の一方が性的不能であったり、相当期間性交を拒否し続けていたり、性的行為が異常であったために婚姻関係が破綻したような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり離婚が認められる可能性があります。
- 配偶者が、うつ病、アルコール中毒、薬物中毒、重度でない精神障害です。これらは離婚原因になりますか?
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これらのことが原因で婚姻関係が破綻したような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり、離婚が認められる可能性があります。ただし、離婚を求める配偶者が誠意ある介護・看護をしている、障害のある配偶者に対する離婚後の療養生活の保証があるといった事情がないと離婚が認められにくい場合があります。
- 配偶者が罪を犯して服役しました。これは離婚原因になりますか?
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犯罪行為・服役の事実だけをもって離婚が認められるわけではありませんが、配偶者の犯罪行為・服役により名誉を傷つけられたり、家族の生活に困難がもたらされ、婚姻関係が破綻したような場合には離婚が認められる可能性があります。
- 配偶者が、働かないのに多額の借入をし、ギャンブルなどで浪費をしています。これは離婚原因になりますか?
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配偶者の怠惰な性格、勤労意欲、生活能力の欠如が原因で、婚姻関係が破綻したような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり、離婚原因になる可能性があります。
- 配偶者から暴力、虐待、重大な屈辱、精神的暴力を受けています。これは離婚原因になりますか?
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配偶者の暴力、虐待行為等については婚姻を継続し難い重大な事由にあたると判断され、離婚が認められる可能性があります。もっとも、暴行等の程度が軽微であると離婚原因になりにくいため、ほかの事情を総合的に考慮したうえで判断されることになります。
- 配偶者が行方不明で音信不通状態です。これは離婚原因になりますか?
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3年以上、生死の確認ができない状況が続いている場合、離婚が認められる可能性があります。もっとも、何年も行方不明で音信も不通であるが生きていることはわかっているという場合でも、事情によっては、悪意の遺棄、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり、離婚が認められる可能性があります。
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