獲得した解決金
約200万円
相談までのできごと
運送会社で長距離ドライバーとして働いていたBさん。
一度出庫すると数日は帰れず、満足に休憩が取れなかったため、長い拘束時間のなかで長時間労働を余儀なくされていました。
しかしBさんは、その労働時間に見合った給料や残業手当が支払われていないと感じていました。
そこで、一度弁護士の意見を聞いてみたいと、当事務所にご相談いただきました。
弁護士の対応
弁護士がお話を伺うと、証拠となるデジタルタコグラフなどは会社に提出されていましたが、毎日行った場所や時間などをご自身でスマホに記録されていました。
弁護士は、タコグラフは会社に開示請求をすれば開示してもらえる可能性があることをご説明。また、Bさんのスマホの記録をもとに残業代を計算することもできるとお伝えしました。
その後、ご依頼を受けた弁護士は、まず相手方に資料開示を請求。しかし相手方からは資料の開示がありませんでした。そこで、弁護士はBさんのスマホの記録に基づいて残業代を計算し支払いを求めました。
すると相手方は、「Bさんが記録した内容は信用できない」と反論し、請求金額よりも低い額での和解を提案してきました。
資料を開示しない相手方の不誠実な対応や、低額の和解提案に、Bさんは納得できないとのこと。そこで弁護士は、労働審判をBさんにご提案しました。
その後、Bさんも納得されたうえで労働審判手続へ移行すると、デジタルタコグラフなどの客観的な資料が開示されたのです。
弁護士は、開示された資料とBさんの記録の整合性を確認したうえで、残業代を再度算出。審理の結果、Bさんに約200万円が支払われる内容で調停が成立しました。
弁護士からのコメント
労働事件においては、会社がすべての資料を持っており、依頼者の方が何も証拠を持っていないことも多々あります。しかし、このような状況でも諦める必要はありません。
粘り強く交渉を続けたり、労働審判などの手続を行ったりすることで、会社に残業代を支払ってもらえる可能性があります。
弁護士であれば、正確な法律知識と豊富な経験をもとに、交渉や法的手続を進めることが可能です。まずはお気軽にご相談ください。
この記事に関連するよくあるご質問
勤務した時間を手帳に書き込んだメモしか資料がありません。それでも残業代請求の証拠に使えますか?
未払い残業代を請求する際は、タイムカードなどの客観性の高い証拠があるのが望ましいことはもちろんです。
しかし、勤務時間を書き込んだメモに価値がないかといえばそんなことはありません。メモを根拠に残業時間を算定することができますし、メモであっても十分証拠として利用できます。
ただ、本人が自由に書けるものであるという点は否定できないので、タイムカードのような客観性の高い証拠に比べて価値が劣ることは事実です。使用者側がメモは信用できないとして争ってきた場合には、メモ以外のさまざまな資料(たとえばGPS記録など)からメモの記載を裏付けていく必要があるでしょう。メモの記載がどのくらい認められるかはその裏付け作業がどの程度うまくいくかという点にもかかってきます。
また、どの程度の証拠が必要となるかについては、残業代を請求する手段によって異なります。
通常は任意交渉、労働審判、訴訟の順でより厳格な立証活動が必要となってきますので、手持ちの証拠に合わせて手段を選択していくことも重要です。
タイムカードで勤務実績を管理していました。弁護士に依頼すれば、会社からそのタイムカードの開示を受けられますか?
弁護士に依頼することで、タイムカードの開示を請求することはできます。
タイムカードは、残業時間の算定に関して強力な証拠となるので、タイムカードが存在しているならぜひとも入手したいところです。未払い残業代を請求したいのに、手元にタイムカードがない場合には、使用者(会社側)に対してタイムカードの開示を請求していくことになります。
その場合、まずは弁護士から開示を請求します。この段階で使用者が応じてくれれば問題はありません。
また、弁護士からの請求に対して開示を拒んできた場合でも、さまざまな方法でタイムカードの開示をするよう働きかけることができます。
たとえば、民事訴訟などの法的手続を利用し、そのなかでタイムカードの開示を請求していく方法があります。
裁判官などがタイムカードの提出を使用者側に指示してくれれば、使用者側も従わざるを得ない場合が多いでしょう。さらに、タイムカードを提出するよう、裁判所から使用者側に正式な命令をするように請求することもできます。
また、裁判を起こす前でも、使用者側がタイムカードを改ざんしたり破棄したりするおそれがあれば、裁判所において証拠保全の手続をすることも考えられます。
未払い残業代の請求を行う場合、一般的に労働者側の証拠がそろいづらいケースが多いのですが、このように、弁護士に依頼することで、訴訟などさまざまな手続を通じて使用者側に証拠の開示を求めることが可能となります。
どのような資料であれば、残業したことを証明できるのでしょうか?
一般的には、タイムカードや業務日報といった資料が残業の証明となります。
ただし、労働事件において証拠となるものには、特に制限がありません。
たとえば、以下のようなものも場合によっては証拠となり得ます。
・日記やスケジュール帳
・会社で使っているパソコンのログイン、ログアウト情報
・自分で書いたメモ(仕事の時間帯や移動方法、仕事で行った場所、仕事の内容など)
・FAXの送信履歴
・会社から家への「帰るよ」というメールの送信履歴
とはいえ、やはりタイムカードや業務日報といった勤怠管理資料があったほうが、請求はスムーズに進みます。「資料が手元にない…」という方でも、弁護士に依頼すれば、裁判所を通じて会社側に資料の開示を求めることもできますので、まずはお気軽にご相談ください。