相談までのできごと
児童福祉事業を行う会社で指導員として働いていたIさん。上司がブラック体質の社風に耐えかね退職してしまい、Iさんが辞めた上司に代わって責任者にされてしまいました。
Iさん自身、以前から会社のブラック体質を耐えがたく感じていたうえ、会社から一方的に責任者とされてしまったことに疑問を感じ、退職を決意。そして、当事務所にご相談いただきました。
弁護士の対応
Iさんから詳しくお話を伺うと、Iさんは2週間以上前に会社に退職を申入れましたが、無視されてしまいました。またそれだけでなく、Iさんが無責任なかたちで退職しようとしている旨を記載した書面を、保護者宛てに配布したとのことでした。
Iさんは、このような書面が配布されることで転職活動に悪影響が生じないか心配されていました。また、退職を強行しようとしたことで会社との関係が悪化しており、キャリア形成に必要な「実務経験証明書」を発行してもらえないのではないかと心配されていました。
弁護士は、労働者は退職の自由が保障されており、無期雇用契約の場合は、退職を申し入れてから2週間で退職できるのが原則であるとご説明しました。
また、会社が今回保護者に配布した書面は直ちに名誉を棄損するものとはならないが、Iさんの反論できない状況で一方的に会社の主張のみを記載した書面を配られることは、事実上、転職活動に悪影響を及ぼす可能性もあるので、このような書面を二度と配布しないように会社に強く求めておく必要があると説明しました。また、実務経験証明書についても求めていくと説明しました。
弁護士は、会社の責任者に架電し、保護者への書面の配布について、今後同じことを繰り返せば名誉棄損を含めて厳正に対処せざるを得なくなる場合があるので、二度としないよう求めました。
交渉の結果、会社はもう二度とこのような書面は配布しないこと、そして実務経験証明書も交付することを約束してくれ、Iさんは無事に退職することができました。
弁護士からのコメント
いわゆる”ブラック企業”と呼ばれるような会社からの退職を強行する場合、円満退社とはいかないケースも多いです。
たとえば今回のケースのように、会社が顧客に対して、退職者に何らかの落ち度があった旨を記載した書面を配布することがあります。それが直ちに名誉毀損といえる内容ではなくても、事実上、転職活動に影響しかねませんし、何より精神的に苦痛です。
退職者本人から会社に対してそのような行為をやめるように求めても、関係がこじれてしまっているので、話を聞いてもらえないことも多いでしょう。
そういった場合は、弁護士に間に入ってもらって、代わりに交渉してもらうことも検討すべきです。アディーレなら、退職代行に関するご相談は何度でも無料。一度お気軽にお問合せください。
この記事に関連するよくあるご質問
退職代行を依頼したあと、会社と直接やり取りする必要はなくなりますか?
基本的にはなくなります。
ご依頼後は弁護士が依頼者の方の代理人となり、会社とのやり取りをすべて代わりに行いますので、依頼者の方が会社側と直接話す必要はありません。
ただし、たとえば出社する形式での引継ぎ作業を強く求められた場合など、やむを得ずやり取りが発生するケースもないわけではありません。
できるだけご要望に沿うかたちで対応いたしますので、まずは一度ご相談ください。
一般企業や労働組合ではなく、アディーレに退職代行を依頼するメリットはなんですか?
弁護士が直接会社とやり取りするため、有給消化など退職関連の交渉まで対応してもらえる点が大きなメリットです(※1)。
一方、一般企業などによる退職代行では、退職の意思表示を会社に伝えるのみで、退職関連の交渉ができません。
さらに、アディーレにご依頼いただくことで、以下のようなメリットもあります。
- 労働問題に詳しい弁護士が、スムーズに退職できるようサポート
- 万が一、退職できなかった場合は費用を全額返金(※2)
- ご相談からご依頼後のやり取りまで、電話・郵送で完結
※1 退職に付随する連絡・交渉の代理は、フルサポートプランにて対応いたします。ライトプランの委任範囲は、退職の意思表示を行うことのみです。また退職日以降の交渉対応および残業代請求については、別途ご契約が必要となります。詳しくはお問合せください。
※2 「退職できなかった場合」の内容は、「期間の定めのある雇用契約」で当初の契約期間満了以前に退職できなかった場合を指します。
また、委任事務を終了するまでは契約を解除できます。この場合には、例外として成果がない場合にも解除までの費用として事案の進行状況に応じた弁護士費用をお支払いいただきます。
退職代行のデメリットは何ですか?トラブルに巻き込まれることがありますか?
民間企業が提供する退職代行サービスには、いくつかデメリットがあり、トラブルに巻き込まれるリスクもあります。
よくあるデメリットとして、民間企業の退職代行サービスは「退職の意思を伝えることしかできない」という点が挙げられます。
「それだけで十分なのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょうが、たとえば下記のようなトラブルが想定されます。
- 有給休暇の消化が認められない
- 退職月の給与や退職金が支払われない
- 損害賠償を請求される
上記のトラブルが発生した場合、民間企業は何も対応できません。
弁護士法という法律によって、弁護士以外が交渉などの法律事務を取り扱うことは原則として違法とされているからです(弁護士法第72条本文)。これに反した場合には罰則もあり、2年以下の懲役または300万円以下の罰金となります(弁護士法第77条第3号)。
利用者まで罪に問われることは原則ありませんが、警察の事情聴取を受けたり、本来の目的である退職ができなかったりする可能性があります。
また、労働組合が提供する退職代行サービスもあり、これらは「団体交渉権があるので、会社と交渉できる」と謳っています。
しかし、このような労働組合は、退職代行サービスの提供だけを目的として形式的に作られたものである場合がほとんどです。つまり、実態としては上記の民間企業とほぼ同様な組織にすぎないため、団体交渉権は認められず、やはり弁護士法に違反するのではないか、という指摘もあります。
さらに、仮に交渉ができるとしても、有資格者である弁護士と比較すれば、労働法以外も含めた法的知識の幅広さや、会社に対する牽制の効果の違いは歴然でしょう。
一方で、弁護士による退職代行サービスを利用する場合、上記のデメリットやトラブルを心配する必要はありません。
会社側も、弁護士が付いているのなら大事にはしたくないでしょうし、万が一トラブルになったとしても、弁護士であれば交渉してうまく対応することができます。